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行きかふ人も又

行きかふ人も又

活弁つき映画の鑑賞

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 10月30日~11月3日まで開催されている、北大クラーク会館にての『Clark Theater 2008』に行ってきた。(2006年創設)
~北大が映画館になる~ と銘打って、ショートフィルムを含む様々な作品20数本を上映中。
昨夜11月1日(土)は活動弁士の佐々木亜希子さんを招いて、1919年の無声モノクロ映画『カリガリ博士』が上映された。(その他の活弁上映ラインナップは『チャップリンの移民』『子宝騒動』)
『カリガリ博士』を劇場で観られるだけでも喜ばしいのに、生まれて初めての活動弁士つき!しかも北大ジャズ研究会の生演奏付きで観られるなんて、逃す手はない。

18時30分開演。まずは活弁士佐々木亜希子さんによる講演からスタートした。映画の誕生から、弁士の活躍した時代に纏わるお話まで、興味ぶかい内容盛りだくさんだった。スライド写真を使いながら、とてもお上手な語り口で、映画の魅力や活弁の魅力を伝えてくれる。

19時頃から『カリガリ博士』上映。
映画の感想は改めて別の記事に書こうと思いますが、素晴らしかった。
ジャズ研の方々が新しい時代の感覚で音楽をつけたという、シーンごとの選曲も見事で、それらは的確に作品を盛り上げてくれる。演奏も巧い!楽器はトランペット、クラリネット、チューバ、キーボード、パーカションの5つの音色だった。

無声映画を観る機会は少なからずもあるけれど、やっぱり活弁つきは一味違った魅力あるもの。しかも生なのだ。佐々木亜希子さんの活弁に感激しつつ、映画以外から流れてくる二つの音を忘れる瞬間があるほど、違和感無く映画に集中してみたり、とにかく面白い体験だった。

上映後は、サプライズゲスト?観客席から札幌市長が登場して、感想を述べたり佐々木さんとトークしたり。目玉の活弁体験では、市長を筆頭に、「やってみたい!」と手を挙げた観客らが、日本映画『子宝騒動』のワンシーンに活弁をアドリブでつけた。皆さんお上手で大いに笑わせてもらいました。

今現在日本にいる活動弁士はわずか十数人なのだそうだ。サイレント映画が上映される機会も少ない昨今、活動の場はもっぱら学校や老人施設や公民館であることが多いそうだ。
それでもこうしてイベントが各地で開かれれば、多くの観客を呼ぶことができる日本の文化。潰えてしまわないように、守っていかれることを祈るばかり。まずは需要あってこそなのだ。


 


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